しゃんぷー
「シャンプーとかボディソープとか、全部その棚の中にあるから、好きなの使って?」
『ん‥。』
「あと、ジャージは少し小さいかもだけど私ので我慢して。」
『ありがと、で。カナちゃんも一緒に入る?』
郁が自分の服に手を掛け
ふざけたようにニヒッと笑う。
「せ、制服ハンガーにかけときなね?」
その笑い顔を無視し
焦りを隠しながら
私はその場を去った。
彼氏と一緒に居る時は
こんなことはなかったのに。
郁の笑顔に、なぜが
慌ててしまう自分が居る。
私は郁が
苦手なのかもしれない。