しゃんぷー
「あのね、朝からそんな煩くしないで。」
『そんな事より、飯。』
「‥っ。」
私の話なんかまるで
聞こうとしていない郁に
一瞬イラッとしたけれど
さすがに遅刻してしまうから
重たい体を起こした。
「ご飯、作るよ。何が‥って、え?」
眠たい瞼を擦りながら向かった
リビング。
そこには、色とりどりの
立派な朝食が完成していた。
「これ、なに?」
『あんま時間なかったからさ。』
「へ?」
『俺が作った。食べよ?』
そう言って私を椅子に座らせ
郁も隣に座る。
私の目の前には
普段とはまったく違う
おいしそうな朝食が
ずらりと並んでいた。