キャッチ。
最後の夏。
過去。
「なぁ大輔。」
「んぁ?」
「進路決めた?」
「まだ。冬馬は?」
「大学行こうかな。」
高校生活のほとんどを部活に注ぎ込んできた俺たちも、今や3年生。
これからの進路について悩んでいるところだ。
K高は進学率、就職率ともに95%を誇る実績がある。
進学か就職か
いつまでも夢ばかりを追っていられる年でもない。
これからの人生も考えないといけない。
「……い。おい、大輔。聞いてんのかバカ。」
ちなみに今は授業中なので俺たちはボソボソ喋っている。
「……おい。人の話を聞けっての!!」
ガッ!!
「ってぇ…。何すんだバカ冬馬!!俺がバカになったらどうしてくれんだよ!!」
「てめぇは元々バカだろうが!!ふざけた事ぬかしてんじゃねぇよ!!」
「んだとぉ…野球バカに言われたくねぇよ!!」
俺は立ち上がって冬馬を指差しながらそう言った。
「お前の方がよっっっぽど野球バカじゃねぇか!!」
冬馬も立ち上がった。俺より頭1つ分デカイ為、俺は自然と見上げる形になる。
「くっ…無駄にでけぇんだよこのノッポ!!」
「はっ、うらやましいんだろ?チビ!!」
「てめぇら…そんなにわしの授業がつまらんのか?」