キャッチ。


ガタン…

ガタン…




あたしと冬馬くんは観覧車に乗った。


今日は楽しかったな〜。


プリクラも撮ったし…大事にしよう。


また来たいな…。




「なぁ、今日楽しかったか?」


冬馬くんが聞いてきた。


「うん、すっごく♪」


ホントに楽しかった。


「そっか、また来ようぜ。」


冬馬くんは笑いながらそう言った。



来たいけど…あたしにはもう…


「…もう次がない、みたいな事思ってんじゃねーだろうな?」


「あ…」


心を読まれた。


「大丈夫だよ。俺がいるから…。俺……医者になる。」


え?


「医者になって絶対小雪を助けてやるから、安心しろ…。」


「…無理だよ。あと1年だよ?」


医者になるなんて無理に決まってる。


「だったら、1年以上生きろよ。そうすれば間に合うさ。」


「そんな…無」
「無理じゃねぇ。」


「諦めたらそこで試合終了だ。俺も頑張るから、小雪も頑張れ。」


「小雪がいない世界なんて…俺は嫌だ。小雪が死んだら俺も死ぬからな、覚悟しとけよ。」


嬉しかった。あたしを必要としてくれる事が。









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