美羽―miu―
美羽は一瞬ためらい
そして、はっきりと
言った。
「留学…したいんだけど。」
両親は留学に関して特に驚いた様子はなかった。
美羽がこの家にいたくないから、毎日毎日夜遅くまでふらふらと遊んでいるのがよくわかっているからだ。
そして、母親はそれを叱れば前の夫の様に彼女が暴力を振るうのではないかと思い関わろうとしない。
それを見かねた父親が美羽としっかり話そうと思い珍しく早く帰った美羽を呼び止め家族全員を集めたのだった。
さすがにいままで特に話したこともなかった為、ためらいながらも唐突に「お前はどうしたいんだ?」
と聞いた答えが『留学』だった。