ハルと美咲の七日間

ハルはあそこもそこもと次々と店の近くのマンションやアパートを見つけポストや一階の大家さんに聞いて回った。そして、ある一件のアパートへたどり着いた。建物は白く丸の内コーポと書かれた表示がある。一階の郵便受けを見てみると汚れて薄く消えかかった感じで205の下に青木美由紀と書かれている。
「美咲!あったぞお前のかぁーちゃんち」
「あっ本当だ」
ハルと美咲は早速階段で二階へ上がり205号室のベルを鳴らした。しかし、何も反応が無い。
「あれ?205だよなぁ」
いっこうに返事がない。何度もハルはベルを押した。
「出掛けてんのかなぁ?ちと俺一階の大家のトコ行って話聞いてくる」
「あたしここで待ってる。おかあさんもしかしたら帰ってくるかもしれないから」
「ああ分かった。じゃあすぐ行ってくる」
美咲はドアにもたれてしゃがみこむように座った。
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