必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
『ーー俺の家に来ない?』
・・・。
・・・・・はっ?!
『・・えっ?』
い、い、い今、なんと仰いました?
否、否、私の聞き間違いだ。
泣き過ぎたせいで少し耳がおかしくなってしまったんだ。
想定外過ぎる言葉に、開いた口が塞がらず答える事も出来ず、驚きを隠せず目を見開いてその人を見る
阿呆面とは今の私の顔の事を言うのだろう。
なんて、ほんの少し冷静な自己分析をしていると
『とりあえず、今日はもう遅いし、俺の家に来なよ。女の子一人ここに置いて帰るわけにもいかないし、ここで出会ったのも何かの運命かもしれないしさ!』
やっぱり聞き間違いじゃなかった。
だけどーー
・・何でだろう。
常識で考えたら、
ついさっき出会ったばかりの人。
しかも異性の家に行くなんて余りにも危険過ぎるって思う事が普通なのに。
この人が「運命」と言うと本当に運命なのかも・・と思えて。
それと同時にこの人の話す言葉にーー
もう一度人を信じてみたい。と感じてしまって。
『はい。』と答えている私がいたーーーー
雨はいつの間にか
止んでいて。
月夜が私達を照らしていた―――