必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
自己紹介
『・・えっ。あの!・・・その車?!』
公園を後にして、男の人の後ろをついて行くと公園の横に停めてある車に乗り込もうとしている。
『ああ。俺のだから横乗って?』
平然とそういうけれど、車に疎い私でも知ってるくらいに、名の知れた国産の高級車だった。
はい。と返事をして戸惑いながらも車に乗り込みシートベルトを締めるとゆっくりと車が走り出した。
『・・・・・・』
音楽もかかっていない車内はエンジンの音だけが響き渡る。
『・・武元 蓮 (タケモト レン)』
『えっ?』
『名前。言ってなかったなと思って。年は28才』
そういうと、ちらっと私の方をみた。
『・・牧野 望 (マキノ ノゾミ)です。20才です。』
武元 蓮さん 心の中で幾度もその名前を繰り返した。
さっきまで絶望的で最悪な事まで考えていたのに、こんなにも今、心が穏やかでいれるのはーー
きっと武元蓮さんに出会い話を聞いてもらえたからなんだろうかーー?