必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
自己紹介
『あの・・色々ありがとうございます。』
公園を後にしてしばらく車を走らせた時、ふと今更だけど、ちゃんとお礼が言いたくなった。
『どういたしまして。・・・あっ。あそこが俺ん家』
『・・・・ッ!?』
そう言って蓮さんが指差す方を見て言葉が出なかった。
だって・・・
『どうした?』
言葉を失っている私に心配そうな声で問い掛ける蓮さん
『・・あそことは・・あそこですか?』
蓮さんが指差した方を私も指差して再確認
『そうだけど??』
私のような普通・・いや、恋も仕事も住みかも無くした私みたいなのは、あまりにも敷居が高すぎて。
入ってはいけない気がするのは絶対に気のせいではない筈・・
成人男性。28歳。スーツを着ているから多分・・会社員?・・の方の住む家にしては高層マンション過ぎませんか??
一瞬、
“蓮さんは何の仕事をされてるんですか?”
この疑問を本人に聞こうと、したけど胸に留めた。
そんな事を聞ける立場ではない気がしたから。