必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
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どれだけ蓮さんの体温を感じていただろう―――
♪〜♪〜♪
こういう時に限って雰囲気をぶち壊す程軽快に鳴り響く携帯の着信音。
『!!・・あっ。仕事!!』
そうだった。
昨日の仕事帰りに店長に明日も来ます。と伝えていたのをすっかり忘れてしまっていた・・。
時間になってもなかなか姿を現さない私に連絡をしてきてくれたんだ!
『・・出な。』
『・・はい。』
抱きしめられていた腕を緩めながらそう言ってくれる。
ちょっとだけ名残惜しい気持ちを胸に秘め、映し出された携帯の画面をみるとやっぱり店長からだった。
『はい。』
「あっ。望ちゃん?時間過ぎてるけど何かあったの?」
『・・いえ。連絡しなくてすみません。』
「そう。良かった。待ってるから早く出勤してね。今日、店忙しくてキャスト少ないから一秒でも早めにねっ!」
『えっ?あのーーー』
言いたい事だけ伝えた店長はさっさと電話を切ってしまい、プーップーッと虚しく機械音が響いた。