必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
空耳かと思ったけどーーー
『お前。五月蝿い。席外せ。』
聞いた事のないほどの怒りを含んだ低い声が、間違いなく私の横から聞こえてきていて。
「・・えっ?」
『うるせーよ。』
言葉はきつめだけど、笑顔の蓮さん・・・
だけど
目が・・・目が怒っていますよ?蓮さん。
そんな蓮さんを見て冗談だと思ったえみりさんはまた何事なかったかの様に、にこにこしながら名刺を蓮さんに渡そうとしている。
名刺なんて貰って欲しくない!なんて思う暇もなく。
『聞こえなかったのかよ。おめーだよ。席外せっつってんの。』
えみりさんに言い放った。