必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
―― 数日後 ――
『ごちそうさま!』
蓮さん家にお世話になって数日、蓮さんが仕事で遅くなる日以外は朝晩毎日ご飯を一緒に食べている。
今日も蓮さんは私が作った晩御飯を残さず綺麗に平らげてくれた。
『今コーヒー煎れますね!』
『ああ。頼む。』
コーヒーを蓮さんに運び対面式キッチンで食器を洗い始めた私にリビングのソファーで寛ぐ蓮さんが話かけてきた。
『望。明日は日曜日だから買い物に行こう。手ぶらに近い感じだったろ?洋服とか女の子だから必要な物とかあるだろう?』
『・・えっ?・・でも・・』
蓮さんのいきなりの提案に返す言葉が見つからずに困惑した。
数日前あんな事があって私の物ほとんどを健次の家に置いてきてしまった。
でも別に困る程でもない・・・
洋服だって現に今は蓮さんのを借りているし。
それ以前に!!
お金をもう持っていない。
蓮さんから預かってる食費とかの生活費まだまだ全然残ってるけど、
実は自分が持っていた千円で蓮さん家にお世話になり始めた翌日に料理の本を買ってしまって今の自分の手持ちは恥ずかしいことに20歳にもなって数百円しかない。
ど、どうしよう・・。