必然的な巡り合わせ 《 番外編 完結 》
どれだけ走っただろう。
息が切れ走るのにとうとう限界がきて、とぼとぼと雨に打たれながら歩く。
途中振り返り確認するも、もちろん健次が追いかけて来てくれる事はなかった。
ちょっとだけ期待してた・・のにな。
あんなに酷い振られ方をしたのに、
まだもしかしたらって期待してるなんて本当痛いな・・・私。
好きの反対は無関心という言葉を聞いたことがある。
健次は本当に私のこと好きじゃ・・なくなったんだーー。
ふと、目に止まった公園の大きな木の下のベンチに腰を降ろした
ここなら少しは雨宿りが出来る。
これから私・・・
・・・・どうしよう。
あっ。私の荷物・・
健次のとこに置いてきちゃった。
買い物の時に持ってた小さなトートバックの中には財布と携帯電話とちょっとの化粧品だけ
財布の中身を確認すると千円札が二枚と小銭が少し・・・
まさに弱り目に祟り目
この状況にますます泣けてきた
『・・ック。・・』
涙が止まらない
私、今までどうやって涙止めてきた?
健次には裏切られて振られるし
雨で洋服は濡れて体温はどんどん奪われて寒いし
お金も殆ど持ってないし・・・
仕事も同棲と同時に辞めちゃったし・・・
あんなに必死に説得して納得してくれた祖父母に心配かけたくない。
祖父母の家に帰るわけにはいかない・・・