誰かが君にKISSをした
私のせいであなたはお母さんの最期を見届けてあげられなかった

の?

そう思うと悲しいよ…

私は彼がいる場所へと走った

「昨日はごめんなさいっ謝っても許してもらえないことわかってます

でも、いっておきたい言葉があるんです。それは…「ありがとう」

「へ?」

私と彼の声が重なった

女の子は静かに涙をながしていた

「昨日の事はもう忘れてよ。」

「でもっ」

女の子は一人走って帰っていった

私たちのことをきずかったのだろう

それからは、とうぜんのようにひかれあって

5月14日

彼が私に告白した

彼の名前

佐伯 竜輝

幸せいっぱいで忘れていたこと

病気の事

竜輝にいいたいけれど

いえばきらわれるかもしれない

どうしよう

でも、竜輝は隠し事が嫌い

私もかくしたままというのはいやだった

でも、言おう

そう決心はしたものの

なかなか言い出せずにいた

不安な気持ちのまま二人はひとつになった

竜輝がささやく愛美もいつかきけなくなってしまう

絶対にいやだ

でも、もう無理だ

私はすでに3分の1の聴力を失っていた
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