【短】君だけのヒロイン
あたしは、大好きな人が自分のことを好きになってくれるのって、奇跡だと思うんだ。
神様がくれた贈り物。
だから、樹くんの存在を当たり前って思っちゃダメ。
「大好き」とか「愛してる」って言葉も、二人の間で当たり前にはしたくない。
ここぞというときに、ちゃんと伝えたい。
樹くんは大切な人だから、手離したくないもん。
ゆっくりゆっくり、永遠に…この時間を感じていきたいって思うの。
あたしは向かいに座ってコーヒーを飲んでいる樹くんを見つめてみた。