【短】君だけのヒロイン
すると、すぐに視線に気付かれる。
「どうかした?」
樹くんが可愛い笑顔で聞いてくる。
「なんでもなーい」
こんな、ありふれた日常が好き。
しあわせ。
「…ねぇ、由憂」
「なに?」
樹くんがマグカップを置く。
「もし俺がさ、由憂と別れたいって言ったら…どうする?」
その言葉を聞いた瞬間、あたしの中で何かが崩れた。
「どういうこと…?それ…」
「もしもの話だよ。由憂だったら、どうするかなっと思って」
そんな…