病んでいても愛したい。
「そう。あー、あたしに気にせず寝てていいよ。タバコ吸いたかっただけだから、すぐにあたしは引っ込むよ」
「まだ、吸うんですか……」
「当然、美味いから」
「………」
黙って見ていれば、朔技さんが意地悪そうな目でこちらを見た。
「ははあん、イヤか?この体でタバコ吸われるのは」
「……いえ。それが“朔技さんなんですから”、私には止める権利はありません」
「優しいね、神田ちゃんは。神楽の体を心配しながらも、きちんとあたしの存在も認めて対応してくれている。
わるいね、タバコはあたしの命なんだ。めったに出ないから、今日だけ許してよ」
わるいね、だなんてこれで何度めか。
本当にそう思ってんのかも分からない顔は、ただ今ある楽しみに夢中になっている。