病んでいても愛したい。


「確かにそうだね。死ぬなら、腕(ここ)じゃない。――つうか、ほとんどの奴がする自傷行為って死ぬためじゃないんだよねぇ。

神楽も十六夜も死ぬ気なんかさらさらない。ただ傷つけたいだけ。ただ生きていく過程でのことが“これ”になっただけだ」


「……」


「共依存――自傷行為も、言っちゃえばアル中も薬物依存も、摂食障害だって、全部生きるために必要なことだ。

生きていく上での“空虚感”を埋めていくことが、共依存の特徴だけど。


埋める行為が自傷行為ってどういうことだろうね?あたしには分からなくてさ」


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