病んでいても愛したい。
水がお湯になり沸騰したことで出汁を入れる。カツオブシだ。そうしてみりんや醤油。
いい味が出たらご飯を投入するだけ。
私のお粥の作り方が合っているかは知らない。でも、母親はこう作っていたのでそうしている。
お粥をいちいちレシピで確認する人はそういないだろう。
ご飯がなめらかになったら、玉子を入れる。二個、器にかき混ぜたそれをさいばしを駆使して全体に均等に流れるように黄色の半液体を投入した。
ぐつぐつ。
待つだけの時間。
深は何しているだろうと思っている時だった。
「――っ!」
いきなり、後ろから抱きつかれたのは。
振り向くことも出来ない。誰かをおんぶしているように、私の肩から腕が伸びて体を掴んでいる。