病んでいても愛したい。
(三)
「半分しか食べてないよ、まだ」
寝室、ベッドで上半身を起こす彼に一言。
私が言えば、どこか困ったように笑っていた。
「ごめん、さすがに。明日また食べるから」
「どうしても?」
「そんな顔しないでよ……。分かった、食べるから」
レンゲにあるお粥を彼の口に入れる。
自分で食べるという人に私が無理やりしていることだ。
こうでもしなければ、彼は食べるのを止めてしまう。
自分は太っているとか言う彼だが、長身の上細いのだからもう少し肉付きが欲しいもの。
パクパクと美味しそうに食べてくれるから、作った私はガッツポーズものだ。