病んでいても愛したい。


ガサガサとした袋の中身はいくつもの薬が種類別で小分けされている。


彼の常備薬。


どれが何に効くのか私には分からないので袋ごと渡せば、手慣れた様子で出していく。


「あ、こっちは痛み止めだって」


「痛み止め……、ああ、病院行ったんだ。てっきり、錐恵が包帯巻いたのかと思った」


「私はそこまで上手じゃないよ。今日は縫わなかったみたい」


「深?行ったのは」


「うん、私が付き添った」

「そう……」


適当な会話をして、彼が薬を手のひらに出していった。

かなりの数の錠剤。六つと痛み止め一つを一気に口にいれ、コップの水を飲み下した。


ごくりなんて音が聞こえて、彼の喉仏が大きく上下する。


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