病んでいても愛したい。
飲み終わったかと思えば、まだ白い紙袋(薬袋)を出して――止まった。
「飲まないの?」
「いや、これ睡眠薬だから。飲むにはまだ早いかなぁと思うけど、これからの時間何も食べないと思ってね。どうしようかと」
ちらりと私を見て、彼が薬を戻す。
ああ、私に気を使っているんだと思って。戻された薬を私が出す。
「一緒寝よ。というか、睡眠薬飲んでもすぐに眠れないとか言ってたよね」
「一緒に……、それは嬉しいな。錐恵と一緒なら嫌な夢見なくてすみそうだ」
ね?とまた肯定を求めれば、頷かれる。
錠剤を二つ更に飲む彼。
「先に横になってていいよ、洗い物するから」
言えば、首を振られた。
「デスクトップの上にでも置いといていいから、俺が自分でやる」