病んでいても愛したい。
「んー、すっきりとしたいタイプだから片付けたいんだけど」
「……、きてくれないか」
手を引っ張られて、彼に抱き寄せられる。
背中を撫でられて。
「ありがとう、本当に。俺には錐恵しかいない」
それでノックアウト。
言葉一つで安心してしまう彼の魔法だ。
うん、と頷いてそのままベッドに入る。
洗い物はデスクトップどころか、床上。私も寝るには適していない私服だけど――彼が求めてくれるなら応えたい。
長い枕を二人で共有し、青い毛布を二人で使う。
寄り添って、彼の胸板に額をつけた。
「あったかい」
「俺も」
「これからあったかい季節になるけど、どうしよっか」
「汗ばんでも一緒にくっついて寝たいな、俺は」
「うん、気が合うなぁ」