病んでいても愛したい。


「てか、俺の質問飛ばしてる」


「ああ、そっか。バイトは休んだ」


「うわ、マジですまねえな。電話したんだよな、あいつ」


「うん」


「ったく、呼び出した癖に出てこねえなんて」


「私が呼べば来るかな」


「さあ、俺と違って神楽は奥に引っ込んでる時は外の記憶ほとんど残ってねえから。ま、呼んでみ。出てきたいって言う確率低いけど」


ほれ、と私と目を合わせる深。


どうすればいいか迷ったが、とりあえずは神楽と名前を声にした。


「神楽来たよ、会いたい」


「……」


目を瞑る深。
でもすぐに目を開けて、舌打ちをした。


「ダメだな、こりゃあ」


「うん……」


「バイト、間に合うか。送ってくぞ」


時計を見る。三十分もオーバーじゃ、今更行っても遅い。

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