病んでいても愛したい。
興味本位、なのかもしれない。だから神楽が言いたくなければ追求はしなく、言ってくれるのならば。
「何か言えることがあったら言ってほしいな。私は神楽の苦痛も全部受け止めて背負いたい」
そうして、少しでも神楽が“生きやすいよう”にしてあげたいんだ。
“逝きやすい彼”を。
「……、昔の夢」
「うん」
「最悪な記憶で……、ごめん、やっぱり話したくない」
「うん、こっちこそごめん。嫌なこと思い出させちゃったね」
彼の首筋に唇をつける。そんなことをすれば、頭を撫でられた。
「君に嫌われてしまうかもしれないから、言えないんだ」
「私は何があっても神楽を嫌わない」
「知っている。だって君は、こんな俺も受け入れてくれたから。――でも、コレまで聞かせたくはないんだ。俺は……汚い」