修学旅行★幼なじみと甘いキス
「お二人さん、細々とがんばってんねー」
「俺らも手伝っちゃうよ~ん」
「つか、高橋ちゃんだっけ?これ、番号ふってきゃいいの?」
「あっ、…お、お願いします」
お互いしばらく黙っていると、
翔の友達っぽい感じの人たちが、様子を見にきたのか、声をかけてきた。
そのままふいにわたしにも話しかけられて、ビックリして頷くと
翔が突然横から口を出してきた。
「健は紙ちぎんのでもやってろよ」
「えー!まじかよー。だるっ」
「つーか、番号の割り振り分かんね。班って何個つくんの」
「知らね」
「って、うぉい!しらねーのかよっ!クジ引きにしろっつったの翔じゃん!」
「たのむよ実行委員~」
「ぎゃはは」
…認めたくないけど
やっぱり翔はすごい。本当にすごいって思った。
だって翔が口を開いただけで、みんなが顔をあげて、反応してくれて。
こうして人が集まってくる。
中学のときから、ごく当たり前にやってきたことでも
翔がそれを口にして、行動する。
それだけでふしぎと、前よりももっと、すごく意味があることのような…
そんな風にさえ、思えてくる気がするから。
「なんかそっち楽しそう」
「うちらも混ぜてー」
そのままワイワイ騒いでいると、クラスの女の子たちもチラホラと集まってきた。
その中には、三浦さんの姿もあって。
入学してきたばかりで、まだぎこちなさが抜けなかったクラスがいつの間にか、
少しずつ、ひとつになり始めていく。
そんな感覚に、わたしは何とかみんなと笑顔を作って合わせながらも、
ふと急に空しくなって、うつむいた。
「……」
“クジ引きでいんじゃねーの”
…もしもわたしが、今よりもっとしっかりしていて
翔と同じ言葉を、あのときクラスの前で口にして、行動していたとしても。
こんな空気にはきっと、ならなかったはずだし、…出来なかった。
「俺らも手伝っちゃうよ~ん」
「つか、高橋ちゃんだっけ?これ、番号ふってきゃいいの?」
「あっ、…お、お願いします」
お互いしばらく黙っていると、
翔の友達っぽい感じの人たちが、様子を見にきたのか、声をかけてきた。
そのままふいにわたしにも話しかけられて、ビックリして頷くと
翔が突然横から口を出してきた。
「健は紙ちぎんのでもやってろよ」
「えー!まじかよー。だるっ」
「つーか、番号の割り振り分かんね。班って何個つくんの」
「知らね」
「って、うぉい!しらねーのかよっ!クジ引きにしろっつったの翔じゃん!」
「たのむよ実行委員~」
「ぎゃはは」
…認めたくないけど
やっぱり翔はすごい。本当にすごいって思った。
だって翔が口を開いただけで、みんなが顔をあげて、反応してくれて。
こうして人が集まってくる。
中学のときから、ごく当たり前にやってきたことでも
翔がそれを口にして、行動する。
それだけでふしぎと、前よりももっと、すごく意味があることのような…
そんな風にさえ、思えてくる気がするから。
「なんかそっち楽しそう」
「うちらも混ぜてー」
そのままワイワイ騒いでいると、クラスの女の子たちもチラホラと集まってきた。
その中には、三浦さんの姿もあって。
入学してきたばかりで、まだぎこちなさが抜けなかったクラスがいつの間にか、
少しずつ、ひとつになり始めていく。
そんな感覚に、わたしは何とかみんなと笑顔を作って合わせながらも、
ふと急に空しくなって、うつむいた。
「……」
“クジ引きでいんじゃねーの”
…もしもわたしが、今よりもっとしっかりしていて
翔と同じ言葉を、あのときクラスの前で口にして、行動していたとしても。
こんな空気にはきっと、ならなかったはずだし、…出来なかった。