修学旅行★幼なじみと甘いキス
「!!」


その瞬間

わたしはバッ!と顔を背けた。


…とにかくビックリして、心臓がドクンドクン言っている。


「……」


い、今

翔こっち…見た?!


一瞬だけど

でも絶対こっちを見たよね…?


ずっと見てたこと、気づかれたのかも…


お、思いっきり目

そらしちゃった…。


「きゃはは」

「うけるー」


そう思ったら、とたんにジッとして居られなくなって。


今も後ろで、女の子たちの楽しそうな笑い声が聞こえてくる中

わたしはもう一度翔がいる方を振りかえる。



「あ……」



でもこの時にはもう、翔はこっちを見ていなくて。


ほんの一瞬、目が合ったのが

まるで気のせいだったかのように


ついさっきまで耳に付けていたはずのイヤホンも、いつの間にか外して

ごく普通に、同じ班の女の子たちと話をしている翔がいたんだ。
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