修学旅行★幼なじみと甘いキス
「あり?翔~おまえ機嫌なおったん?
さっきは乗り気じゃねーみてーなこと言ってスネてっから、俺が気ィ遣ってソッとしといてやったのに。
何かイイことでもあったわけ?♪」

「るっせー。つか、引っ付くなっての。…気が変わったんだよ。気が」


離れた場所から、何度も目をこすって確かめてみたけど

翔は一度もこっちを見ようとはしなくて。


女の子たちに混じって

ニヤニヤ笑いながら、わざとらしく絡んでくる友達の腕を、ただめんどくさそうにあしらっていた。


…でも確かに、さっき目合ったはずだったのに

まるで初めから何もなかったようなフリされたのは


もしかして“わたしが”ずっと、見てたから…?



「タケちゃんて面白いね」

「つーか面白がってるだけだろ」

「あはは。ねーでもホントは何が理由で乗り気になってくれたの?」



会話の内容は聞こえないけど


気がつくと翔の隣には、同じ班の三浦さんがいて。


クラスの中でもひときわ目立って映る翔と三浦さんは


隣同士でいると、それがすごく絵になるような…
まぶしく見えて


そんな二人から目を、そらせなかったんだ。
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