修学旅行★幼なじみと甘いキス
「ゼェっゼェ…。づ、疲れた…
ちょ、ちょっと休憩…
って、んん?あれ?
ねぇ加奈子?なに見てるの?」


自分の中にわきあがった感情を押さえられず

ひたすら両手を握りしめて黙っていると


さっきまで根気強く、後ろで立ち幅跳びと格闘していたあさみちゃんが
汗をぬぐい混じりにこっちを見た。


そして、わたしと周りの女の子たちが揃って

何か同じものを見ていることに気がついたのか

あさみちゃんも一緒になってそこから立ち上がり、まじまじと向かいのグラウンドに目をこらす。


「あれ!男子たちってばあそこでサッカーやってんじゃん♪いつの間に?
んーなになに。…じゅ、12対2?
って何これ?何でこんな差ついちゃってんの…!?」


男子たちがいるグラウンドを覗き込むなり、真っ先に飛び込んできたのは
信じられないような得点差で。


その試合経過を、今初めて目にしたあさみちゃんは

コート外に設置された得点板と、試合風景を何度も交互に見比べては、口をパクパクさせている。


そのまますっかり開いた口がふさがらない様子のあさみちゃんに


今まで一人、黙々と記録上げに打ち込んでいた詩織ちゃんも

いったん練習を中断して、こっちに近づいてきた。
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