修学旅行★幼なじみと甘いキス
「12対2?
…どういうこと?何かの誤審なんじゃないの」

「それがどーもホントみたいなの!
まっ、あたしも今見たばっかで詳しいことは知らないんだけどね!」

「……(知らないんかい)」


チャームポイントの可愛いエクボを覗かせて
あはっと笑ってみせるあさみちゃんに

詩織ちゃんがハァと頭を抱える。


そして気を取り直したように
両腕を組んで、向こうの試合を再びジッと見ていたかと思うと

そこで何かに気づいたように、詩織ちゃんが口を開いた。


「なんだ。そういうことか」

「えっ詩織、何か知ってるの?」

「知ってるっていうか、見れば大体分かるよ。
原因は多分あの人。今あそこでボールもってる赤の、背番号9」

「あ、あのちょっと背が高そうな人?」

「うん。ほら、また点入れた」


詩織ちゃんがそうつぶやくのと同時に
向こうでホイッスルの鳴る音がして

9の背番号を背負った翔が、また得点を入れてしまった。
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