修学旅行★幼なじみと甘いキス
「そ、そっかぁ…。全国大会…。
そんなすごい大会の優勝チームで、しかもその中のエースだったんじゃ
レベルが違いすぎるよね…。
クラスの男子たちが手も足も出ないわけだよ…」

「……」


そんな人が同じ高校のクラスに居るなんて、と
あさみちゃんは驚きを隠せない様子。


その隣で、わたしは下を向いて俯いたきり…黙っていた。


「でも何でそんなすごい人がこの高校に?
有名チームにスカウトされるくらいなら、なおさらスポーツ推薦とかで
いかにももっとサッカーが強豪そうなとこ、行けたかもしれないのに」

「さぁ。わたしはあの広瀬って人じゃないし、話したことないから。
実際のところは、本人にしか分からないと思うけど」


例えば得意のサッカーを諦めてでも

何かこの高校に来たかった理由があったんじゃないの?



何気なくそうつぶやいた詩織ちゃんの言葉に、一瞬わたしの心臓がドクンと跳ねあがる。


でもその動揺を隠すように

すぐにわたしは自分の両手をキュッと握り返した。
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