修学旅行★幼なじみと甘いキス
その瞬間、わたしはとっさに下を向くと
ダッ!とここから走り出していた。


後ろで立ち尽くしたままの翔の顔も見ずに
急いで扉を開け、バタバタと部屋を飛び出す。



“おまえなんか一生…、大キライなんだよ”



「ハァッ、ハァッ…」


無我夢中で階段を駆け降り、息を切らして急ぐ中

わたしはとっさにポケットからケータイを取り出して
あさみちゃんに電話をかける。


プル…
プルル…


ガチャ


《はいはーい!もっしもーし♪
あっ加奈子?委員会終わった?
今ね、ちょうどカラオケ終わって、すぐ側のマックに…》

「行けない」

《へっ?》

「ごめん行けない」


着信から出るなり、突然のわたしの言葉に

ケータイ越しから
「エッ」と言うあさみちゃんの驚いた声がする。
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