修学旅行★幼なじみと甘いキス

「してない」

「えっ?」

「ほんとはキス、してないよ…」



“時間が、止まったかと思った”


実はあのまま本当に
お互いの口が重なり合うんじゃないかって、そう思ったあの瞬間

目の前にいた翔がとっさに
口先で繋がれたポッキーを途中でへし折って、わたしから顔を離してくれたから

キスまでは実際、しなくて済んだんだ。



「……」


でもいきなり肩をグッと勢いよくつかまれて

あの翔が強引に顔を近づけようとしてきた時は


とにかくビックリして

もう何の音も聞こえなくて…


まるで二人の時間だけが、止まったみたいだった。
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