修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…うっ、うん」
なんだか気まずくて
うなずいたきり、それからどう返事をすればいいのか分からないでいると
今も背を向けたまま
どこか俯きがちだった様子の直哉くんが
突然こらえきれなくなったようにこう言った。
「俺が当たればよかった」
「え?」
「加奈子ちゃんの引いた数字が呼ばれたとき、
ほんとは俺が当たりたかった」
「!」
「そうしたらこんな…わざわざゲームが終わってバスから降りたあとも
未練がましく引きずったりしていないで済んだのに」
直哉くんの口から出たとは思えないような発言に
思わず心臓がドキリとする。
同時にカァッと顔が熱くなるのを感じて
わたしはあわてて下を向いた。