修学旅行★幼なじみと甘いキス


!?


その瞬間、わたしは勢いよく目を見ひらいたかと思うと
すぐにグルッ!と前を向き直した。



「!……っ!?」



…な、ななな

なんで?


なんで翔
今こっち…、見てくるの?


思い違いじゃないよね?


も、もしや顔に何かついて……?!


そう思って
わたしはとっさに下を向くと
あわてて自分の顔をひとりペチペチと触る。


(……付いてない)


それでもやっぱり
おかしな所は見つからなくて

もう一度チラ…、と顔をあげ直したわたしは
おそるおそる翔がいる方を振りかえる。


「……」


するといつもなら

こんなとき、決まって露骨にイヤそうな表情をして
すぐに顔をフンとそらしていたはずの翔が

今はなぜか少しも目をそらすことなく、
ただまっすぐにわたしのことを見つめてきて……


「―――っ」


あきらかに
今までとは違う翔の姿に、胸が熱くなった。
< 277 / 473 >

この作品をシェア

pagetop