修学旅行★幼なじみと甘いキス
!?
その瞬間、わたしは勢いよく目を見ひらいたかと思うと
すぐにグルッ!と前を向き直した。
「!……っ!?」
…な、ななな
なんで?
なんで翔
今こっち…、見てくるの?
思い違いじゃないよね?
も、もしや顔に何かついて……?!
そう思って
わたしはとっさに下を向くと
あわてて自分の顔をひとりペチペチと触る。
(……付いてない)
それでもやっぱり
おかしな所は見つからなくて
もう一度チラ…、と顔をあげ直したわたしは
おそるおそる翔がいる方を振りかえる。
「……」
するといつもなら
こんなとき、決まって露骨にイヤそうな表情をして
すぐに顔をフンとそらしていたはずの翔が
今はなぜか少しも目をそらすことなく、
ただまっすぐにわたしのことを見つめてきて……
「―――っ」
あきらかに
今までとは違う翔の姿に、胸が熱くなった。