修学旅行★幼なじみと甘いキス
「ぎゃっはは」
「イエーイ♪」
「おまえら、いいかげんにしろー!」
こうしている間も
相変わらずわたしたちの間をせわしなく飛び交っている
男子たちの騒ぎ声や、先生の声。
でもそんな騒音すら聞こえないかのように
ふたり離れた位置からお互い、ひたすら黙って見つめあっているうち
気がつくとわたしの顔は耳先にまで届くくらい、赤く染まりあがっていて
このとき、とっさに頭の中を
あのときの直哉くんの言葉が、グルグルとかけ巡った。
“向こうはそうだと思ってない”
ドキ、ドキンッ…
!
へ?あ、ああれ…?
な…、なにこれ…?
よ、よくわかんない…
だいたい今までこんなこと、一度も考えたことなかったし
それにだって
翔は、わたしのこと…
キライ、なんじゃないの…――?