修学旅行★幼なじみと甘いキス
「まったく…おまえ達と来たら。ほんとにしょうもないな。
これじゃラチがあかない。
…これで多目にみたとは言わないが
時間ももう6時をまわったところだし、ひとまず全員部屋に行きなさい」


すっかりテンションがお祭りムードの男子たちに、
今はもう何を言ってもムダだと悟ったのか

先生はハァと深いため息をはいたかと思うと
全員それぞれの部屋まで行き、いったん荷物を置いてくるよう促した。


「なぁなぁ聞いたか?
今日俺らの泊まる部屋、なんと!20畳(!?)もあるんだってよ!」

「マジか♪やりたい放題だな」


「どんな部屋なんだろ?」

「楽しみ~♪」


その間もわたしは床に座り込んで、ひとりボーッと上の空のまま

しだいにみんなそれぞれ少しずつここから立ち上がったかと思うと
ゾロゾロと歩きだしていき


しばらくして
わたしもハッと顔をあげる。


(!や、やば…)


気がつくと
人はまばらになっていて


部屋へと続く階段に向かい、ゾロゾロと歩き出して行ってしまうみんなに

わたしもあわてて荷物を肩に背負う。


そのまま自分もみんなのあとを追いかけようと、急いで駆け出したそのとき

突然――後ろからガッ!と手をつかまれた。
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