修学旅行★幼なじみと甘いキス

「―いっ、行かないよ!」


っていうか、そもそも何でわたしが!


そんな翔に、内心わたしの心臓がビクーッ!として

気づけば半分、足元は逃げ腰になりながら…

それでもとっさに負けじと自分も声を張りあげて抵抗する。


「それに、どーせわたしが行ったってみんなと馴染めないだけなんだしさ
翔は他の人誘えばいいじゃん!」


…せっかく東京から遠く離れた北海道に
わざわざはるばる飛行機まで乗ってやって来て

そんな場所で、
こんな…、いつもの強気な言い方しか出来ないわたしは、

やっぱり自分でも、
幼なじみの翔に対して、しつこく意地を張りすぎているところがあると思う…。


でもだからって
ほんとに、今まで全く関わり合いのなかったわたしが
いきなり今夜、翔たちのところへ遊びに行って、
そこで一緒になって大騒ぎする意味が分からないし、(ましてや修学旅行の深夜に)


それに本当はまだあの翔に対して、ケンカした時のことや入学式の日のこと

――とにかく今までさんざん翔に言われてきた事や、されてきた事を、
正直心の底では許しきれていない自分がいるんだ…。


だからこうでも言えば
さすがに目の前にいる翔だって、

幼なじみのわたしにわざわざ声をかけてみた事がバカらしくなって、どうでも良くなって、
それであっさり諦めてくれると思った。

そう思ってたんだ。


なのに…


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