修学旅行★幼なじみと甘いキス
「それに…?」

「……」

「それに、何だよ」


けどまさか
その元々の発端が、今ここにいる翔が全部原因だなんて
そんなのウソでも言えるはずがなく、とっさに口ごもってしまう。

するとそれを不審に思ったのか
こっちを向き直した翔が不機嫌な口調で問い返す。


そのままズイと立ちはだかる翔の、目には見えない強い威圧感に押され、
わたしは急いで口を動かした。


「っ、それに…
直哉くんは翔みたく
いきなり人を夜中に呼びつけて
みんなに迷惑かけるような、そんな人じゃないから…」


だからあの直哉くんが
わたしにそんなこと言うわけないよ。


そう言って
両手をきつく握りしめてうつむいたわたしの言葉に、
翔の肩がピクン!と大きく揺れたような気がした。


そしてすぐにわたしを強くにらみつける。
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