修学旅行★幼なじみと甘いキス
―ガタッ
「!」
でもそのとき。
突然――背後からいきなり人の動く物音がして
わたしはとっさに肩をビクッ!と震わせる。
そのまま急いで後ろをふり向くと
一体いつの間に…
いつからそこに立って、わたし達のことを見ていたのか
ここから少し離れた場所の、階段の手すりに腕を置いたきり
どこか気まずそうな目で、こっちをジッと見つめていたのは
ほんのついさっき
大ゲンカして走り出して行ったばかりの翔でも、
同じ班の直哉くんでもなく…
「わり…高橋ちゃん。
まじで俺、盗み聞きするつもりはなかったんだけど…」
「!」
“じゃー今から全員に番号書いた割りばし回してくんで一人ずつ選んで取って”
バスのときには
誰よりも一番、ゲームの進行役を買って出て
クラスではいつもあの翔とよく一緒につるんでいる、健くんだったんだ。