修学旅行★幼なじみと甘いキス
――!
《…あ、あの時は直哉くんの様子が気になって
その、少し話したりとかはしてた、けど…
でもじっさい翔が今言ってるようなことは全然言われてないし、聞いてないよ》
…あ……。
「なのに何であいつも来てんの?
つーか何だって加奈子と同じ班のヤツらが
んな夜中に、わざわざお前のいる部屋に集まって楽しそうになんかしてんだよ……」
さっきまでの勢いは何だったのか、
意外にも、最後の方にはすっかり元気を無くした様子で、
翔はどこか悔しそうに頭を伏せたかと思うと、わたしからスッと手を離した。
そのまま再び黙り込んでしまった翔を前に
今も明かりは天井の照明が全部落とされているせいか、真っ暗で。
だからきっと
もしかしたらわたしの、見間違いだったのかもしれないけど…
このときフイッ…、と
まるで強がるようにしてそっぽを向いた翔の横顔が、どこか一瞬…
ウソをつかれたことに、ひどく傷ついた子供みたく映って
思わず胸の奥がズキンッ!とする。
そんな翔に激しく動揺して
わたしは焦ったように口を動かした。