修学旅行★幼なじみと甘いキス
ほんとうの、気持ちは…――
ポン
「!」
でもそのとき
ふと誰かの手が、わたしの肩に乗っかってハッとする。
ビックリして顔をあげると
そこには、ニッといつものように笑う直哉くんがいたんだ。
「はよ」
「!…お、おはようっ」
「ごめん驚かせて。
…昨日は眠れた?」
「あ……」
とつぜん声をかけられ、あわてて返事をしたのもつかの間、
直哉くんからの問いに、
少しして、わたしはまたグッ…とこらえるようにうつむいた。
「…その、あんまり」
「そか、実は俺も。
あのあと自分らの部屋に戻ったら、すげー色々考えちゃって」
「……」
それでも重たい空気にはさせないようにと、
わざと笑顔を作って話そうとする直哉くんに、わたしはどう答えていいのか分からず、沈黙してしまう。
そのまましばらくトボトボと歩いていると
この時わたしたちの前を、
みんなとワヤワヤ歩いていた様子の勇樹くんが、ふと足を止めたようにこっちを振り向いた。