修学旅行★幼なじみと甘いキス
「ん?あれ?
おぉい直哉たちぃ!何してんだよー?早くこっち来いって~!」
早くしねぇと置いてくぞ~!
その言葉に、二人とも思わずエッ?と顔をあげると
自分たちでも気づかないうちに班のみんなは、もうずいぶん先の方へと歩いて行ってしまったのか
ここよりもだいぶ離れた位置から、ちょいちょいと手を振る勇樹くんが見えて。
直哉くんが焦ったように声をあげる。
「…お、おぉ分かった。今行く!
…はは、つうか勇樹たち、もうあんな所まで歩いてっし。どんだけはしゃいでんだっつの」
「……」
「…行こっか、俺らも」
こうしてる今も向こうでは「お~い!」と、せかす勇樹くんたちに
直哉くんは小さく苦笑してみせながら、でもどこか気遣った目でわたしの方を見る。
そしてそのまま、隣でジッとしてるわたしの手を引き
みんながいる所へと駆け出そうとした次の瞬間
「……っ!」
わたしは思わずそんな直哉くんの手をバッ…!と振りほどいていたんだ。