修学旅行★幼なじみと甘いキス
結局、直哉くんとはそれきりどこか微妙な距離感を感じたまま…
やがて時刻は昼の12時をまわり
観光名所でもある時計台や、クラーク像の前に並んで記念撮影をしたりと
すっかり歩き回ってお腹が空いたわたしたちは、ひとまず昼食をとることにした。
「すっげ~何だよここ!」
「なんか昔っぽくない?!」
そう言って、わたしたち1班がやってきた場所は
札幌駅からすぐ側の、とある大きなショッピングセンター。
その建物の10階にあるレストラン街は
どこかレトロな雰囲気のする広いフロアに、いくつものラーメン屋さんがお店をかまえていて、
いわゆる“フードテーマパーク”みたいなもの。
どこを見渡してもまるで昭和の世界にでも入りこんだような構造に、
あさみちゃんや勇樹くん達はさっきから目を丸くしたまま
しきりに顔をキョロキョロとさせている。
「…――しっかし、こうも同じラーメン屋が一つの階に集まってっと、どれにすっか迷うよな」
「こことかいんじゃね?さっき見たとき、人すげー入ってたし」
「あさみは?どこがいい?」
「あたしもここがイイ!」
「俺もー♪」
「じゃあ、このお店にすっか」
さんざん悩んで、フロア内を何度もグルグル往復した結果、
最終的にはメンバー内の多数決で、一番人気の多かったラーメン屋へ入ってみることにした。