修学旅行★幼なじみと甘いキス
「翔とわたしが釣り合ってないのは、自分でも分かるし、仕方ないと思ってます。
…でも実際ホントに、何でもないのに
勝手に周りからそんな風なことをウワサされて、否定までされて。
こっちはもうイヤなんです。正直、迷惑してるんです。
だから……」

「……」

「っ、……だから」




“俺だって、本当はあいつよりも前から加奈子を見てた。ずっと、好きだった…!”


“ガキん時から、ずっと!”




そこまで言いかけようとして

ふとあのときの翔の言葉が、とっさに頭をかすめる。



それでもわたしは、グッときつく唇を噛み締めてうつむくと

はっきりとこう言った。





「だからわたしは翔のこと、別に何とも思ってない」





感情をおさえきれず
とっさにわたしの口を突いて出てきた言葉は…


昨夜の、翔から言われた告白に対する

心ない返事で。



テーブルでは今もただみんながシン、として黙り込む中




「…―――」





このとき


今まで何も言わなかった翔の表情が一瞬…――、曇った気がした。
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