修学旅行★幼なじみと甘いキス
◇追いかけた背中
「あーっ、はいはい、そこそこ。
運んできた木材はちょうど、このサークルの中心に重なるようしっかり並べてね」
「ケガしないよう気をつけろよー」
――今回の北海道修学旅行、2泊3日。
この短い期間のうち、1番のメインイベントでもあるという「キャンプファイヤー」
そしてそのお祭りがとうとう実施される、約1時間前。
周囲ではそのほとんどを仕切る小崎先生や、
ほかの先生たちの掛け声がいくつも飛び交う中
実行委員のわたしは、その準備と手伝いのため
一般の生徒たちよりも一足先に
ホテルから隣接している、あまり普段は使われていないという、広い空き地へと集まっていた。
「これ重ーい」
「せんせー、これどうやるんですかぁ?」
慣れない作業で懸命になるうち、
陽はやがて傾きだし、辺りはしだいにオレンジ色へと変わりはじめた頃
同じ委員の女の子たちと協力して
ようやく一つの仕事をやり終えたわたしは、小崎先生のところへ、タッ…と遠慮がちに歩み寄る。