修学旅行★幼なじみと甘いキス
「……」
それに気づいたわたしはとっさにケータイを閉じると、元いたポケットの中へとしまう。
そして思わずゴクッと息をのみこむと、
しばらくして春野先生がこっちへと向かってくる方へ、自分もゆっくりと歩き出した。
「……」
ドクン、ドクン…
“そういえば前、保健室に来たときは
たしか…“直哉くん”て言う男の子もいたはずだったと思うんだけど。あの子はどうしたの?
それともあたしの、気のせいだったかしら”
――何にせよまぁ、最近の高校生はムカつくらいマセてんのねぇ
昨日のやりとりの事もあり
内心は気まずさを隠せないながらも、これ以上怪しまれないよう、自分なりに平常心を装ってふるまう。
そのままだんだんとお互いの距離間が近づき、
それでもなるべく目線を合わさぬよう、ひたすら俯いたまま
ただ黙って足早に先生の真横を通り過ぎかけようとした…そのとき、
ほんの一瞬のすれ違いざま、春野先生がこう口を開いた。
「昨日はあれからどうしたのかしらー?」