修学旅行★幼なじみと甘いキス
「…!」

「例のキャンプファイヤー中、あなたと広瀬くんの姿がどこにも見当たらなかったのだけど。
あのあとアナタ達ふたり…いったいどこで、なにをしていたの?」



その発言に思わず心臓がドキリとしてすぐさま後ろを振りかえると
そこにはまるで全てを見透かしたように腕を組んだまま、唖然とするわたしの目をクッと見下ろす春野先生の表情。


まるで見るものを威圧するかのようなその強いギラギラとしたオーラに
一瞬で足がすくんでしまったわたしは、とっさに何か弁解しようと口を開こうとする。



「あ、あれはその…」

「――それから。ほかの女子生徒たちから偶然耳にした話によると、
あたしが部屋を出ていったあの後、キャンプファイヤーの空き地には戻らず、
な・ぜ・かそのまま広瀬くんとホテルの室内へと消えていった高橋さんを見かけたと聞いたんだけど」

「……」

「これ、一体どういうことなのか…あたしに分かりやすく説明してもらえる?」



か、完全に

勘づかれてる……!;



言い訳のタイミングすら与えず
ただ淡々と、それでもどこか一方的に話しを押し進めていく先生に、わたしの顔からはサーッと血の気が引いて行く。


そのまますっかりしどろもどろになるわたしに、
春野先生はさらに鋭い目つきを仕向けたかと思うと、ピシャリとこう言った。



「ちょっと来なさい」


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