修学旅行★幼なじみと甘いキス

――ピッ、ガチャ


「……」


コポコポコポ……



「……」


コポコポコポ……




“ちょっと来なさい”




一言そう告げられ、なかばわたしが強制的に連れてこられた場所は
なんと――春野先生が宿泊する3021号室。


昨日は先生を呼び戻すため、翔とこの部屋を訪問しに来たものの
じっさい足を踏み入れたのは玄関先までで、


室内ではあの春野先生が淡々とお湯を注いでいる様子の中

今のこの状況が全く把握できないわたしは、とにかく促されるままテーブルのソファへと大人しく黙ってしゃがみこむ。



「高橋さん」

「(ビクッ…!) あ、はい!」

「もう今いれちゃったけど、あったかい紅茶でいいわよねー?」

「は、はい!イ、イイ…です!!」



なんだかよく分からぬまま、ひたすらギクシャク俯いていると

少しして二人分のティーカップを手に持った先生がツカツカと歩いてこっちにやって来た。



「はい、どーぞ」

「あ、ありがとうございます…!」



……。

って
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