修学旅行★幼なじみと甘いキス
「あ…あは、アハハ、
おーワルいワルい!今ちょーどそっち向かおうかと思っててさぁ(やっべぇー、すっかり忘れてた;)」

《もー;お願いしますよほんとにー;
皆さんもう全員そろってますから、春野先生も早く走ってきてくださいね!!》

「りょーかいりょーかい。ダッシュでそっち向かうのなんて上等だっつの。
うい、じゃ~、またすぐ後に」


ピッ



フゥー……;



どこか流した返事をしながらも、
小崎先生との会話を早々に終えた様子の春野先生は、通話後とっさに長い息をはきだすと、

何やらバツの悪そうな顔をして突然――スタッ!とソファから立ち上がった。


「はい、てなわけで
それじゃーあたしはそろそろ…」

「あっ、あの…!――ちょっと待ってください!」

「んー?」

「そのっ、今さっき先生が言ってた“知らない”って、どういうことですか?
もしかしてわたし、自分でも気づかないとこで、また翔に何かヒドイことでもやってたんですか?!;」


自分でもビックリするくらい、自然と息も声も荒くなる。


「っ、ハァ、ハァ…」

「……」


翔のことを心配して、明らか焦った表情を浮かべるわたしに

春野先生はしばらくの間ポカンと立ち尽くしていたあと、すぐにフッと口元を崩して笑った。
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